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ミルトカリクの巣穴【MHF】

 モンスターハンター フロンティアのプレイ記録

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2024.11.21 (Thu)
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「メゼポルタ開拓記」 反省会

5年前に遊んだきりで、とっくにサービスも終了しているが、ふと機会があったので振り返る。

関連記事:「メゼポルタ開拓記」ちょっとだけプレイ




このゲームの世間での評価に関しては今さら言うまでもない。一言でいえば「モンハンというIPの無駄遣い」である。モンスターハンターという恵まれた知名度を持つ作品を題材に、たっぷりと予算をかけて(1年以上前から予告したりフルアニメPVを作るくらい)おきながら、リリース半年で完全放置され、2年後にそのまま終了してしまった。DMMランキングで1位と最下位を両方獲ったという伝説は当面揺るがないだろう。

適当に分析してみよう。まずはキャラクター面について。本作はソシャゲ(ここでは「F2P」という意味で使用している)一般で行われるような「キャラで釣ってガチャ課金させる」という目論見が通じなかった。考えてみれば当たり前で、モンハンの魅力は敵となるモンスターや、そこから生み出される装備品であって、操作する人間キャラクターではない(このあたりは、カプコン全体がソシャゲを極端に苦手とする理由にも通じる気がする)。本作に登場する人間キャラにはかなり細かいプロフィール(ゲームには全く関係ない部分まで)が設定されており、キリンシリーズなどの人気の防具を装備してはいるが、肝心のキャラ自体は本作オリジナルで、プレイヤーからすれば愛着が全く無いのである。

次にシステム面。まず諸悪の根源はコマンド入力式の戦闘である。戦闘にプレイヤー操作が介入しないポチポチゲーとの差別化だったのだろうが、その思い込みが致命的な罠だった。大抵のソシャゲでは戦闘開始時に結果が決まっており、何らかの理由で中断されても結果がリジュームされる。これはプレイヤーがコマンド入力を行わない故の長所である。戦闘中にプレイヤーによる介入があった場合、中断時の処理は2つ。すなわち「戦闘開始時に戻る」か「全滅扱いで戦闘終了する」である。このうちの後者を選んでしまって大顰蹙を買ったことは、この記事を読んでいるような方であればご存知だろう。かといって戦闘開始前に戻ってしまうとノーリスクのリセットが可能になってしまうので、これもよろしくない。ブラウザゲームは不安定なのでプレイヤーの責任以外で落ちることが頻繁にあるということを考慮せず、コンシューマの感覚で作ってしまったのだと思われる(この点も、ソシャゲ関連のノウハウの決定的な不足を感じる)。

そして上記のコマンド式とも関連するが、全体的に複雑すぎるのも問題だ。まず1パーティ12人のハンターを編成するところから始まる。それぞれのハンターには武器を装備させる必要がある(防具の概念が無いだけマシだが)。同じ武器でも生産時に出来の良さが決まって性能が異なる。戦闘ではHPとスタミナに気をつけながら(原則として回復は不可)個別にコマンド入力をしなければならない戦闘メンバーは4人だが、控えの8人と適宜入れ替えながら進む前提である。…やってられるか

このあたりはモンハン派生作品が陥りがちな罠で、本家シリーズでも武器や防具(スキル)選びに膨大な選択肢を提示しつつもメインはアクションなので、操作さえ適切に行えば事前準備が雑でもクリアできるように作られているのだ。逆にいえばアクション要素があるからこそ準備パートの調整は大雑把でも許されるので、アクション要素がない=準備とコマンド選択が全てだと緻密なバランス調整が必要になり、大抵はそれが出来ずに難易度設定が大味になって脱落者も増えてしまう。アクション要素が無いゆえに命中判定や状態異常などのランダム要素も入れる必要があり、それによるストレスも大きい。以前『ぽかぽかアイルー村』のレビューでも似たようなことを書いている。

コンシューマゲームなら、上記のような要素は攻略し甲斐のある点だとして好意的に受け止める人もいるかも知れないのだが所詮はブラウザゲーム。キャラの入手には強いランダム要素があるし、ゲームバランスも運営の気まぐれで変わってしまう。キャラが魅力的なら我慢して遊ぶかも知れないが最高レア度ですらモブキャラ同然で愛着も何もない。一体誰がこんなゲームを真面目に遊ぶと思うのか。カジュアルに遊ばせたいなら難易度自体を下げればよかった(せめてメインクエストくらいは)のだが、序盤をすぎると急激に難易度が上がってライト層をお断りするようなバランスであった。上記で述べたシステムの複雑さにより、敗因がわかりづらい(キャラか、武器か、コマンドか、編成か。実際はキャラの強さの比重が高かったようだが)ので再挑戦の意欲が沸かないのも問題だ。

もちろん「最初はゲームバランスを厳し目に設定して徐々に引き下げる」というのはオンラインゲーム運営の定石ではあるのだが、そのためにはゲーム自体がしっかりしておりプレイヤーを引き止めたり、あるいは新たに呼び込み続けることが前提である。本作の場合は強制終了時の全滅扱いによって多くの初期プレイヤーを失望させ(配信直後はアップデートが頻繁に行われていたので、それによる強制終了も多かった)、キャラの魅力もないので定着させることも呼び込むこともできなかった。一体なぜこのゲームが売れると思ったのだろう。社内会議ではどのようなプレゼンをしてゴーサインを出させたのか本気で気になる。

本作より前に出たCOGのブラウザゲームとして『鬼武者Soul』や『百年戦記ユーロヒストリア』が挙げられる。これらも割と短命で終わったが末期まで一定のプレイヤー層はいた。「実在の武将などをキャラクターにした」「戦闘は見ているだけ、編成もシンプル」「箱庭づくりという戦闘以外の楽しみもある」あたりが長所なのでそれなりに続いていたのだと思われる。既存作品の良かったところを自ら潰してくるとは(特に箱庭要素に関しては、プレビューサイトを見た限り開発中はあったはずなのだが)。

以上、以前にツイッターに書いたり書かなかったりした話を改めて記事としてまとめた。例によって何か思いついたら加筆修正するかも知れない。
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2019.12.24 (Tue)
Category[その他COGゲーム]
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